ジャズが聴こえる

私の好きなジャズレコード、ミュージシャンの紹介や、ジャズにまつわる思い出話などを綴っていきます。

Blue Train(ジョン・コルトレーン)

Blue Train

ジョン・コルトレーン……人により 様々なイメージを持ち、好きなレコードも様々なミュージシャンじゃないかな、と思います。 実際、コルトレーンは初期から音楽スタイルを変え、最終的にはフリーフォームの前衛的な演奏にたどり着きます。

初期の方が好き、という人もいれば後期の方が、という人もいます。

私は、最初にコルトレーンを聴き始めたころは後期の前衛的でエネルギッシュな演奏が好きでした。
ですが、年を取ってくると初期の頃が好きになって、そのころの演奏にも後期の演奏につながる激しさを感じられるようになりました。
そうして初期のころのコルトレーンに惹かれるようになったのです。その代表的な作品がこれです。

 

『Blue Train』(Blue Note 1957年)
John Coltrane(ts)
Lee Morgan(tp)
Curtis Fuller(tb)
Kenny Drew(p)
Paul Chambers(b)
Philly Joe Jones(ds)
【収録曲】
#1 Blue Train
#2 Moment's Notice
#3 Locomotion
#4 I'm Old Fashioned
#5 Lazy Bird

私はこのレコードの中でも特に、「Moment's Notice」が好きです。
後年のフリーの演奏とは、当然のごとく全く違うのですが、その音使い、駆け上がるようなフレーズを聴くと、「もっと高く」「この場所から外へ」というコルトレーンの意識を感じます。後年のフリースタイルへの変化も、コルトレーンにとっては必然だったのかな、と感じます。

あと、好きなのは、やはりサックスの音色ですね。
これも後年の演奏に通じる、何というか…激しい音色というか…切り裂くような音色というか…う~ん、音色を言葉で表現するのは難しいですね。

曲もいいです。4曲目以外はコルトレーンの作曲です。トランペット・トロンボーン・テナーサックスの3管編成のサウンドもいいです。いいとこだらけです。
作曲に関しては、コルトレーンは後にスタンダードナンバーと言えるような作品を沢山残してます。

録音された時期は、マイルスバンドを抜けて(後に復帰しますが)、セロニアス・モンクと演奏を始めたころで、30歳か31歳くらいですね。
こう考えると、このアルバムを「初期」の作品というのは間違えかもしれません。サックスの音色に関しては、完全にコルトレーンの音色として完成されていると思いますし。
コルトレーンはこの後40歳で亡くなるまで、スタイルを変化させていくわけです。だから、感覚的に「初期」というイメージが、私にはついてしまっているのかもしれません。