ジャズが聴こえる

私の好きなジャズレコード、ミュージシャンの紹介や、ジャズにまつわる思い出話などを綴っていきます。

Green Dolphin Street(ビル・エヴァンス)

 

グリーン・ドルフィン・ストリート

 ビル・エヴァンスフィリー・ジョー・ジョーンズとの共演が聴きどころのアルバムです。あと、ジャケットも素敵ですよね。
録音は7曲目だけ1962年で、他は1959年です。

『Green Dolphin Street』(Victor Music Industries Inc. 1977年)

Bill Evans(pf)
Philly Joe Jones(ds)
Paul Chambers(b)<#1~#6>
Ron Carter(b)<#7>
Jim Hall(gt)<#7>
Zoot Sims(ts)<#7>

【収録曲】
#1 You and the Night and the Music
#2 My Heart Stood Still
#3 Green Dolphin Street
#4 How Am I to Know?
#5 Woody 'n' You(Take 1)
#6 Woody 'n' You(Take 2)
#7 Loose Bloose

さて、演奏内容とは関係ない話からひとつ。
この録音は「Reverside」のレーベルで行われています。ですが、なぜか「Reverside」からはリリースされず、後の1977年に発売されたようなのです。
Wikipediaでこのアルバムのレーベルを調べてみると、日本語の「ビル・エヴァンス」のページには「Reverside」、英語の「Bill Evans discography」のページには「Milestone」、英語の「On Green Dolphin Street (Bill Evans album)」のページには「Victor Music Industries Inc.」とあります。
録音したレーベルと、発売したレーベルが違うのでこうなったのですかね。ごめんなさい、よくわからないです。大した問題じゃないですよね。
ただ、私の中では、エヴァンスのプレイ、レコードの音質も含めて「Reverside」の作品と認識しています。
ちなみに、Wikipediaでは日本語・英語サイトともに、アルバム名は「On Green Dolphin Street」なのですが、ジャケットには「Green Dolphin Street」と「On」がないので、私はそれに合わせて書きました。正式には「On」が付くのかもしれませんね。まあ、これも大した問題ではないのですが、昔のジャズのアルバムは、色々わからないことが出てきて大変です。

さて、私の好きな「Reverside」時代のエヴァンスですが、この演奏は「Reverside」時代の作品の中でも、ちょっと違うな、と思わせるような演奏です。
その原因は、やはりフィリー・ジョーがドラムとして参加していることにあるのでしょう。

フィリー・ジョーの私が好きなところは、ハイハットとブラシですが、その良さが随所に聴かれます。
まず1曲目、「You You and the Night and the Music」の出だしからしてそうですよね。
その、グルーブ感あふれるブラシワークにのって、エヴァンスも歌いまくっている印象です。

私が若いころ、エヴァンスを聴きだしたときに感じたのは、ソフトなピアノタッチという印象でした。しかし、それは全く聴けていなかったのですよね。ただ単に、イメージだけで捉えてしまっていたのでしょう。
きちんと聴けば、エヴァンスのタッチは、なんというのでしょう、「しっかり鍵盤の底を打っている」とでも言いうのがピッタリなタッチです。そして何より、リズムに乗ってグルーブして歌う、そこには力強さも感じます。

3曲目の「 Green Dolphin Street」にも、そういうエヴァンスが表れています。
特に特に、テーマが終わってドラムがブレイクして、エヴァンスがコードソロで入っていくあたり、そしてそれに続いてのソロ、素晴らしいです。これはフィリー・ジョーの効果なのでは、と思います。
私は何度、このテーマから続くソロを聴いたことでしょう。
もう、最高ですよ。