ジャズが聴こえる

私の好きなジャズレコード、ミュージシャンの紹介や、ジャズにまつわる思い出話などを綴っていきます。

Round Midnight(映画)

 

ラウンド・ミッドナイト(字幕版)

このブログでは基本的にレコード・CDの紹介をしているのですが、今回は映画です。
1986年公開の『round midnight』について書いてみます。
主演はサックス奏者のデクスター・ゴードン、その他、著名なジャズメンが出演しています。音楽担当はハービー・ハンコックです。

『Round Midnight』Warner Bros. 1986年)

【cast】

Dexter Gordon=Dale Turner
François Cluzet=Francis Borler
Gabrielle Haker=Berangere
Sandra Reaves-Phillips=Buttercup

上には主なCastを上にあげましたが、なんといっても出演しているジャズメンの顔ぶれが豪華です。主だった出演ジャズメンの顔ぶれを挙げてみると…

セリフがかなりあって出演者としても出番が多いのは、主演のデクスター・ゴードン(ts)はもちろん、ハービー・ハンコック(pf)、ボビー・ハッチャーソン(vib)です。
ウェイン・ショーター(ts,ss)は少しだけ。
その他ライブやレコーディングの演奏シーンでは、ロン・カーター(bs)、フレディー・ハーバード(tp)、トニー・ウィリアムス(ds)、シダー・ウォルトン(pf)などなど。

デクスター・ゴードンなどは、本当に素晴らしい演技です。演技ではなく、地なのでしょうか。それにしても、じっくり見入ってしまいます。ハービー・ハンコックもそうです。

ですが、この映画のお勧めする理由は、まず映画として素晴らしい内容だからです。ジャズファンを喜ばせるだけの映画ではありません。ジャズメンが多数出演しているので、ジャズファン向けの映画と思われるかもしれませんが、そんなことはないのです。ジャズを聴いてこなかった人にもおすすめです。
一人の芸術家の生き方、どうしても逃れられない苦しみ、そして「家族」というものも大きなテーマになっています。
アルコールに依存して、破滅的な生き方を続ける主人公のサックス奏者、デイル・ターナー。彼を支える熱狂的なファンのフランシス。そのフランシスと彼の娘との関わりも、この映画の大きな見どころであり、いろいろと考えさせてくれるところです。

もちろん、ハービー・ハンコックが担当した音楽も素晴らしいです。
メインテーマの曲は「Round Midnight」なのかもしれませんが、サブテーマ曲ともいえるオリジナル曲「Chan'sSong」も、とてもいい曲です。
Chanというのはデイルの娘の名前で、この曲が披露されるシーン、そしてラストにビッグバンドアレンジで演奏されるシーンは、どこか切ないメロディと相まって印象的です。
ところで今回この記事を書くにあたって、クレジットを英語版Wikipediaで再確認したら、この「Chan's Song」のクレジットが、Stevie Wonder, Hancock、になっているのです。
スティービー・ワンダーとハービーの共作だった?!
私はスティービーが音楽に参加しているとは知らなかったので、手元にあるDVDやサントラ盤のCDで改めて確認したのですが、どちらにも作曲者のクレジット自体が載っていません。またネットで探しても、その情報はでてきません。
本当にスティービーが作曲に参加していたのでしょうか。だとしたら、もっと騒がれててもようさそうです。英語版Wikipediaは、大変詳しくジャズの情報が掲載されているので、嘘ではないと思うんですが…なんとも分かりません。相変わらず昔のジャズには不明なことや、謎情報が多いです。

それはともかく、とにかくお勧めです。
私は映画館でも何度か見て、DVDも買って、かれこれ何10回とみてる気がします。
何度見ても素晴らしい映画だと思います。