ジャズが聴こえる

私の好きなジャズレコード、ミュージシャンの紹介や、ジャズにまつわる思い出話などを綴っていきます。

Easy Living(ソニー・ロリンズ)

Easy Living

テナーサックスの大御所、ソニー・ロリンズです。
ロリンズには名盤と呼ばれるものが多数ありますが、あえて今回はこれを取り上げてみます。
1977年に録音、ロリンズが40代後半のころですよね。エレクトロニクス楽器も取り入れた演奏です。

このアルバムのいいところは、選曲ですね。1曲目のスティービー・ワンダーの「Isn't She Lovely?」は、発売当時、話題になったそうです。
いいアルバムだと思うのですが、他のロリンズの作品、例えば『Saxophone Colossus』や『Tenor Madness』ほど有名ではなく、そのうち時代に埋もれて忘れ去られていきそうで、とても残念なので、ここで取り上げてみます。まぁ、私が取り上げたところで、何か変わるわけじゃないんですが…。

『Easy Living』(Milestone 1977年)
Sonny Rollins(ts,ss)
George Duke(pf,e-pf)
Tony Williams(ds)
Paul Jackson (b)
Charles Icarus Johnson(gt)
Byron Miller(b)<#1>
Bill Summer(per)
【収録曲】
#1 Isn't She Lovely?
#2 Down the Line
#3 My One and Only Love
#4 Arroz con Pollo
#5 Easy Living
#6 Hear What I'm Saying

まずは「Isn't She Lovely?」、イントロ部のジョージ・デュークのソロから入るのですが、これがいいです。
エレピを使っているのですが、アコースティックピアノとは違う、強弱による音色の違いが上手く引き立っていて、グルーブ感にあふれています。エレピを使って大成功!といった感じです。

このジョージ・デュークを起用した、というのが、このアルバムのひとつの大きなポイントかな、と思います。そしてトニー・ウイリアムスですよね。彼もの参加も大きいです。
新しい世代、新しいサウンド、それらとの融合、とでもいうのでしょうか。それらに触発されたかのように、ロリンズも全編にわたって、時に軽快に時に熱く演奏を繰り広げています。

スティービー・ワンダーの曲でスタートするのですが、「My One and Only Love」「Easy Living」という昔からのジャズスタンダードも演奏されていて、これもいいですね。
ロリンズらしい、朗々と歌い上げるとでもいうのでしょうか、そんな感じです。

実は実は、私は学生のころ、バンドでキーボードを弾いていて「Isn't She Lovely?」のジョージ・デュークのイントロ部分をコピーしようとしたんですね。上手くいきませんでしたよ。
そんな思い出もあって取り上げらさせてもらったのですが、私の個人的思い出を抜きにしても、忘れ去られてほしくない、いいアルバムだと思います。