ジャズが聴こえる

私の好きなジャズレコード、ミュージシャンの紹介や、ジャズにまつわる思い出話などを綴っていきます。

京都三条河原町、ジャズ喫茶「BIG BOY」の日々~メニュー~

1980年代、私が学生時代にアルバイトをしていた、京都三条河原町近くのジャズ喫茶「BIG BOY」での日々を綴ります。


「BIG BOY」はジャズ喫茶でしたが、お酒やフードメニューも提供していました。

もっともフードメニューは、それほど種類はなかったです。
乾きもの以外で記憶しているのは、ピザとトーストくらいです。ピザも出来合いの生地にピザソースを塗って、サラミ、トマト、チーズをのせて、オーブントースターで焼くだけでした。だいたい、ド素人の私が作るくらいなのだから、簡単に作れるものでした。

だけど私は「BIG BOY」で初めて知った“乾きもの”などつまみ類もいくつかあります。
そもそも、当時はバーとかでお酒を飲むことはあまり経験がなかったので、初めて知るものも多かったのです。
サラミやミックスナッツぐらいはさすがに知ってましたが、オイルサーディンは「BIG BOY」で初めて知りました。
缶を開け、油をきり、缶をホイルで包み醤油を垂らしてオーブントースターで焼くのです。
レーズンバターなるものを知ったのも「BIG BOY」でした。
バイト仲間はみなレーズンバターが好きで、店のレーズンバターをこっそりつまんだりしたが、さすがに減るのがすぐにバレそうなので、それはあまりしませんでした。
仲間とは「あぁ~、レーズンバター、一本丸々食べたいなぁ」とよく話していた記憶がありあます。
店が終わった後に残って、バイト仲間とお酒をよく飲みましたが、給料が入った時などは、「よし、レーズンバターを買ってきて、1本を半分ずつにしよう!」と、ちょっとした贅沢を楽しみました。

ドリンクメニューでは、コーヒーの類はもちろんありました。
コーヒーは大きい布のフィルターを使って、ポットにまとめて落としてます。それを注文が入ると、少しずつ小鍋で温め直して出すのです。おいしいわけがありません。
アメリカンはポットに入っているコーヒーをお湯で割って出します。 アメリカンコーヒーとはコーヒーのお湯割りじゃない、と私が知ったのは、20年近くたってからでした。
コーヒーのまずさは、正に“ジャズ喫茶”でしたね。

お酒も出していたのですが、そうはいっても、やはりそんなに種類はなかったです。
一部のお客さんはボトルキープもしていました。
ウイスキーでは、バランタイン、ハーパー、ジャックダニエルなどがよく出ていたと思います。
カクテル類もあったのですが、バーテンの経験者などいなかったので、みな先輩アルバイトから口づてに聞いて覚えました。
だけど当時の私にとっては、ここで初めて知ったお酒も多かったです。
ソルティードッグ、ジンフィズ、ブラッディマリー…。まあカクテルというほどではないのですが…。

素人の作るものだから、変な失敗もしました。
私ではないのですが、別のアルバイトがジンフィズの注文を受けた時のことです。
作り方を忘れた彼は、とりえずジンをグラスに入れました。次にレモンを絞って、ガムシロップを入れました。そして氷です。
だけど全然量が足りません。 何かを入れたはずですが、何だったっけ…。
お客さんが待っています。ぐずぐずしていられません。
彼はそこでジンを、なみなみ足したのです。
それを出されたお客さんは、何も言わずに普通に飲んでいたそうです。
酒豪ですね。